科学技術論文の書き方
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目 次
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参考文献の引用・参照
参考文献目録の書き方
一般的注意
- ":" "," "." の右側には必ず半角スペースを置く.(Vol. の後ろ,No. の後ろ等に注意)
- 上記の例外は,Co., Ltd. のようにその記号が連続しているとき.
- p. は page の略,pp. は page to page の略である.
- 全角カンマを使わない.
- 場合によっては,著者名,論文名をルールに従って省略してよい.(卒論等では省略しないこと!)
- 少なくとも,文献をアクセスするための最小限の情報 (雑誌名,主著者名,No. Vol. pp.)を省略してはいけない.
- 以下では和文媒体と英文媒体について説明しているが,
これは貴方が書く論文の 和文/英文 の別ではなく,
参照される先行研究の論文の記述言語の問題である.
- 日本語で書く論文では日本語論文・英語論文を引用して良いが,
英語で書く論文では原則として英文論文の引用に限られる.
書籍等のリスト
著者名と書籍タイトル,出版者名,出版年月を書く.
書籍の中で特に引用箇所を明示したい場合は,ページを付記してもよい.
いわゆる刷り数 (第1刷とか) は書かなくても良いが,版数 (第二版とか) があれば書く.
和文書籍
- 岡田稔: "Cによるプログラミング演習", 近代科学社 (1993-11)
- 岡田稔: "Cによるプログラミング演習(第一版)", 近代科学社, pp. 50-51 (1993-11)
一般的には 1. の書式で良い.
英文書籍
(to be written)
学術雑誌論文のリスト
和文論文
著者名は可能な限り,姓のみでなく,姓名とすること.
著者数が多い,あるいは1~2ページの予稿集論文などで欄が不足する場合は筆頭著者+「ら」としてもよい.
以下,上から順に下に省略度が高くなる.
- 大河内俊雄, 岡田稔, 水野慎士, 鳥脇純一郎:
“仮想版画 - 自動切削による仮想版木作成支援と多版多色刷りの検討”,
電子情報通信学会論文誌 D-II,
Vol. J83-D-II, No. 12, pp. 2698-2706 (2000-12)
- 大河内俊雄, 岡田稔, 水野慎士, 鳥脇純一郎:
“仮想版画 - 自動切削による仮想版木作成支援と多版多色刷りの検討”,
信学論 D-II,
Vol. J83-D-II, No. 12, pp. 2698-2706 (2000-12)
- 大河内俊雄ほか:
“仮想版画 - 自動切削による仮想版木作成支援と多版多色刷りの検討”,
信学論 D-II,
Vol. J83-D-II, No. 12, pp. 2698-2706 (2000-12)
- 大河内ほか:
“仮想版画 - 自動切削による仮想版木作成支援と多版多色刷りの検討”,
信学論,
J83-D-II(12), 2698-2706 (2000-12)
- 大河内ほか,
信学論,
J83-D-II(12), 2698-2706 (2000-12)
概ね,博論,修論,卒論では 1. ,
論文誌・研究会論文・シンポジウム論文では 2. ,
全国大会・地方大会論文では 3.~5. を使用する.
英文論文
n人の著者のとき,n-1 人目と n人目の著者名の間は and をいれること.
nが多い,あるいは1~2ページの予稿集論文などで欄が不足する場合は筆頭著者+「et al.」 としてもよい (別章参照).
"et al."は,"英) and others, ラテン) et alii"の略であるので,
etの後ろはピリオド不要,alの後ろにピリオド必要であり,イタリックにする.
さらに雑誌名をイタリックにすると良い(LaTeXでは {\em ...} タグ).
- D. Tasaki, S. Mizuno and M. Okada:
“Virtual Drypoint by a Model-driven Strategy”,
Computer Graphics Forum:
Journal of the European Association for Computer Graphics,
Vol. 23, No. 3, pp. 431-440 (Aug. 2004).
(Full notation)
- D. Tasaki, S. Mizuno and M. Okada:
“Virtual Drypoint by a Model-driven Strategy”,
Computer Graphics Forum:
J. of Eurographics,
Vol. 23, No. 3, pp. 431-440 (Aug. 2004).
(学会名の省略記法,Journal→J.)
- D. Tasaki, S. Mizuno and M. Okada:
“Virtual Drypoint by a Model-driven Strategy”,
Computer Graphics Forum,
Vol. 23, No. 3, pp. 431-440 (Aug. 2004).
(論文誌が有名な場合)
- D. Tasaki et al.:
“Virtual Drypoint by a Model-driven Strategy”,
Computer Graphics Forum,
Vol. 23, No. 3, pp. 431-440 (Aug. 2004).
(第二著者以下を省略)
- D. Tasaki et al.:
“Virtual Drypoint by a Model-driven Strategy”,
CG Forum,
23(3), pp. 431-440 (Aug. 2004).
(Vol. No. の書き方に注意.この書式 v(n) をデフォルトとする論文誌も多い)
- D. Tasaki et al.:
CGF,
23(3), 431-440 (Aug. 2004).
(最終手段であり,省略掲載論文誌名のコンセンサスがある場合)
概ね,博論,修論,卒論では 1.~2. ,
論文誌・研究会・シンポジウムでは 3. ,
全国大会・地方大会では 4.~6. を使用する.
英文文献の著者名には,フルネームは不要.
first name イニシャル + family name とすること.
姓と名の順序は論文誌により作法が異なる.
- 形式A: M. Okada (一般的か?!)
- 形式B: Okada, M. (伝統的な論文誌に多い.情処論はこのスタイル)
論文誌名の省略記法
英文論文誌名を省略する場合ではその方法はほぼ一定している.
下の表は学問分野に拘らず学界全体でコンセンサスが形成されているのでこれに従う.
基本的単語の省略ルール:
単語 | 省略記法 | 参考事項 |
Journal | J. | (主として学会の基幹論文誌) | |
Transactions | Trans. | (主として学会等の専門論文誌) | |
Proceedings | Proc. | (主として国際会議論文集) | |
Annals | Ann. | (紀要,報告書) | |
Bulletin | Bull. | (紀要,彙報) | |
Annual | Annu. | (年鑑,年刊の) | |
Conference | Conf. | (会議) | |
Congress | Cong. | (会議) | |
International | Int'l | | |
Society | Soc. | | (学会,IEEE等の部会) |
英文論文誌名の省略実例:
- Trans. on PAMI
(IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence)
- Trans. on IP
(IEEE Transactions on Image Processing)
- Trans. on TVCG
(IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics
- J. IPS. Japan
(Journal of Information Processing Society, Japan; 情報処理学会論文誌)
- Proc. of Int'l Conf. on XXX
(Proceedings of International Conference on XXX)
和文論文誌名の省略実例:
- 信学論D-II
(電子情報通信学会論文誌D-II分冊)
- 情処論
(情報処理学会論文誌)
- 画電学誌
(画像電子学会誌)
- IT Letters
(情報科学技術レターズ; 情報技術フォーラム講演論文集査読セッション)
- 信学技報
(電子情報通信学会技術報告)
- 情処研報
(情報処理学会研究報告)
- 信学全大
(電子情報通信学会全国大会講演論文集)
- 情処全大
(情報処理学会全国大会講演論文集)
- FIT
(情報技術フォーラム講演論文集)
引用符
論文タイトルの引用符 “・・・” の向きに注意せよ.
殆どの場合,論文は LaTeX で書くだろうが,その向きが逆では見苦しい.
この文書自体は半角の html で書かれているため,"・・・" を使用しているが,
LaTeX では,``・・・'' と書かなくてはならない(``・・・" は不可).
それによって,美しい “・・・” が生成される(本当は全角ではない).
”・・・” とする人間に美的センスがあるとは疑わしい.
- × \bibitem{okada} M. Okada: "Introduction to the C language", Kindaikagakusha Publ. Co. (2004).
- × \bibitem{okada} M. Okada: ``Introduction to the C language", Kindaikagakusha Publ. Co. (2004).
- ○ \bibitem{okada} M. Okada: ``Introduction to the C language'', Kindaikagakusha Publ. Co. (2004).
また,英文論文では,引用符とカンマの位置関係に注意せよ.
- “・・・,” Trans. ・・・ のように American English ではカンマは引用の中
- “・・・”, Trans. ・・・ のように Queens English ではカンマは引用の外
であり,ピリオドについても同様である.
筆者は Queens English 方式の方が論理的であると思っているが,個人の趣味もある.
本文読者は日本人であろうが,アメリカ人,イギリス人は国民性もあり,
一概に決めつけることはできない.
しかし,雑誌論文等では論文誌編集委員会の方針がある場合にはそれに従う.
ただし,これは内容というよりは editorial な問題として,
原著論文では,「印刷屋」が勝手に修正することが多い.
もちろん,camera ready で投稿する論文では自分で注意する必要がある.
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