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文部科学省・国語審議会の愚策
昭和31年、文部省国語審議会 (現在の文部科学省/文化庁文化審議会国語分科会) は用字の指針として「書き換え文字一覧」を制定した.
単なる異字体の統一簡便化なら文句はないのであるが,
意味を無視した当て字は本当に困りものである...
発祥の地,中国よりも日本での漢字は表意文字としての意義が大きい.
中国ではカナというものがないため、漢字を表意文字としてのみではなく表音文字としても用いなくてはならないのに対して日本では表音の役割を担う必要がないためである.
有名所では、英語の function → 中国での当て字: 函数 [ふぁんすぅ] → 関数 (国語審議会)
そんな日本で、単に教育漢字にないからとか当用漢字にないからといって,
「交ぜ書き」を奨励し,また異なる漢字で代用するなどは本当に嘆かわしい事態である.
次の pdf ファイルは同音漢字の置き換えルールである.
ローカル, 文化庁オリジナル
表意文字として,それなしに考えることのできない部首を蔑ろにした置換えはますます小・中学校での漢字教育いや国語教育の極めて大きな妨げとなろう.
この漢字の置換えが全て悪いなどとは言わない.
しかしどう考えてもこいつら (国審委員) 本当に日本人か? と疑いたくなるようなものがある.
もちろん本文筆者はこの昭和31年制定以後の生まれだが,ときどきハラワタが煮えくり返る時もある.
- 日蝕 → 日食
腐蝕 → 腐食
バカちゃうか? 食べられるんではなくて蝕まれるんだよ! (e.g. 月蝕, 侵蝕)
- 煽動 → 扇動
バカちゃうか? 単に扇で扇ぐんではなくて火を煽るんだよ!
- 沈澱 → 沈殿
殿が沈んでどうすんだよ!
- 熔岩 → 溶岩
鎔鉱炉 → 溶鉱炉
バカちゃうか? 水に溶かしてどうするんだよ!
- 尖端 → 先端
これなんか意味が違ってしまう典型だろ! 削っていない鉛筆の先は尖端ではないけど先端だろうな!
- 混淆 → 混交
四字熟語も玉石混交なの? アホ?
- 障碍 → 障害
こんな字をあてるから「障がい者」なんて交ぜ書きがまかり通ってしまう.「障碍者」なら問題なし.
さらにアホなのは全置換ではない、という事.e.g. 碍子,無碍
- 棲息 → 生息
棲む,と,生きる,は意味違うでしょ! (e.g. 両棲類,同棲)
さすがに次の例などは筆者も違和感を覚えるが,上記などもあと何年か経てばほとんどの日本人も自然に受け入れるんだろうな...
- 屍体 → 死体
- 涸渇 → 枯渇 (本来,枯は木が枯れる)
こういうのを目の当たりにすると中国の簡体字なんかは潔いと思う!
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