言葉の表現上の問題
表現法個別論
意味不明の言葉
学術論文の存在意義を考えたとき,意義・意味を持たない,あるいは意味不明の言葉があり,その使用は論文の説得力低下,信頼性低下に繋がる.
ちなみに (因みに)
「ちなみに」とは,「ついでにいうと」といった意味を持つ接続詞あるいは副詞である.
学術論文で「ついで」とは何たることか?
記述する必要があれば記述し、冗長であれば書かない,ただそれだけのことである.
- × 長野県は海に接しない都道府県のひとつである.ちなみに奈良県も海に接しない.
「奈良県」 のことを言及する意義が論文本旨として重要であるのであれば,
- △ 長野県は海に接しない都道府県のひとつである.奈良県も海に接しない.
- ◯ 長野県と奈良県は海に接しない都道府県である.
- ◯ 長野県は海に接しない都道府県*1のひとつである.
(脚注 *1 栃木県,群馬県,埼玉県,山梨県,長野県,岐阜県,滋賀県,奈良県)
とすれば良い.意義がなければ書くな!
余談だが
余談ならするな!
自身
最近,論文でも目にする.
ここで問題とするのは単独で出現する「自身」である.
自身が単独で出現した場合,「何」自身なのかは実は自明ではない.
- × ある種のタンパク質は自身が持つ塩基が作用して...
この自身とは「ある種のタンパク質」のことか? もしそうなら,
- ◯ ある種のタンパク質はそれ自身が持つ塩基が作用して...
というように何を指し示すのかを限定できる言葉を付加しなくては多義性が生じる.
例: それ自身,自分自身,...
多義性同語
別項では「同音異義語」,「同音類義語」について考察したがここでは「多義性同語」について述べる.
適当
いかがだろうか.
そう,現代日本語の「適当」には相反する二種類の意味があることをここで認識して戴きたい.
- (?) 加速係数 α を適切に (suitably, appropriately) 設定した.
- (?) 加速係数 α を何も考えずになんとなく (somehow) 設定した.
どうだろうか.
ここを読んでしまった貴方はもう「適当」という言葉は不用意に使えないだろう.
勝手に熟語
漢字を「適当」に組み合わせて熟語を作るときには勝手な思い込み、勝手な創作を排除しよう.
判りやすい例を示す.
- 行列の式 v.s. 行列式
- 固有の値 v.s. 固有値
これらの対が同じ意味でないことは,理工系 (+経済系) 出身であれば常識である(と信じたい).
いくら理工系でなくても,社会科学系とかでこれらの用語を不用意に使用すればそれは単なる無知として学術論文としては認められないだろう.
そう,いくら分野違いといってもきちんとした定義がある以上,言い逃れはできないのである.
ここまで極端でないにしろ,勝手な熟語は専門家から見れば嘲笑ものである.いや,頭痛ものかも知れない.
- × この電波は 100m という長波長だ.
(無線の世界では長波という区分 (λ=10km~1km) が正式に定められており,長い波長という意図で長波長という意味不明の言葉を使用してはならない.)
△ この電波は 100m という長い波長だ.
(さらに長いかどうかは主観表現であるので不適.)
- × 昨晩は最低気温が 24℃ にもなりハワイのような熱帯夜であった.
(夏日・真夏日などと同様、熱帯夜も気象庁で定められた用語である.)
- × この支持装置の稼働範囲を10mmから20mmにしたことで自由度が向上した。
(自由度 (DoF: degree of freedom) という言葉は軸の数であって,範囲に依存するものではない.)
固有名詞 v.s. 一般名詞
一般名詞かと思っていたら実は固有名詞・登録商標だった,ということはよくある話であり,
気をつけたい.
固有名詞として論文に記載する学術的な合理的理由が無い限り,一般名詞で表現するべきである.
ホッチキスとかゼロックスなどは良く知られた間違えやすい例であるが,
ここ ( Coffee Break ) で示すものはちゃんと認識しているだろうか?
ここに掲載した登録商標を使用してはいけない,といっているのではない.
一般名詞に示した意味でその商標を使用してはいけない,といっているのである.
例えば,接着剤の意味で「ボンド」と表記するのは不適当であるが,
原子と原子の接合 (bonding) など,接着・接合の意味で使用することは差し支えない.
例)
- × この箱に取手を取り付けるためにボンドを使用した.
- × この箱に取手を取り付けるために接着剤を使用した.
- ○ この炭化水素化合物のボンドは合計12個である.
言葉のインフレーション
最近の様々なマスコミの文章やテレビ番組 (特にゴールデンタイムの番組) などでの程度表現のインフレーションが気になる.
「一瞬」といいながら10秒くらいだったり,十分にあり得ることを「あり得ない」といったり.
そういえば,イギリス人では判らないけど,アメリカ人が "a couple of minutes" と言ったら,
直訳すれば「数分(普通の感覚では2,3分?)」だろうが,実は感覚的には10分以上1時間以内である.
数分を正確に表現する言葉は "a moment" であろう.(以上,筆者の経験)
このような言葉のインフレは実は昔からある.
デスクトップコンピュータ,ポータブルコンピュータ,ラップトップコンピュータ,ノートタイプコンピュータなんていい例で,
あのラップトップを誰が膝の上に置くものか.
あのノートをだれがノートの大きさ・重さに感じるか.
ひとつづつ,ずれている!!
Coffee Break
論文ではこのような言葉のインフレーションに代表される誇張表現は絶対に避けよう.
略語の使用
例えば上でインフレーションの話題に触れたが,インフレとも通常,表現される.
しかし,このような略語の使用はきちんと冒頭で断った上で使用するべきものである.
断る場合には次のような括弧書きが良いだろう.
例)
- 言葉のインフレーション (以下,インフレ) が目立つ.言葉のインフレがあると...
- パーソナルコンピュータ (以下,パソコンという) は,言葉通りに一人に一台の時代となった.
- コンピュータグラフィックス (computer graphics, 以下,CGという) は映画やコマーシャルフィルムなどで我々の目を楽しませてくれる.CG では線型代数学がその理論的背景にあり...
断り書きを書く前では,たとえそれが論文タイトルや章節項タイトルでも使用禁止である.
(×)
第2章 ネット社会の功罪
インターネットがこれだけ普及し,パソコンがひとりに一台のものとなった現代のインターネット社会 (以下,ネット社会) ではその影響が...
|
(◯)
第2章 インターネット社会の功罪
インターネットがこれだけ普及し,パソコンがひとりに一台のものとなった現代のインターネット社会 (以下,ネット社会) ではその影響が...
|
なお,複数回出現しない略語を断り書きする必要はない.
意味が同じ?
中学のとき,英語でこういう問題がよく出た.
「The dog bites me. を意味が同じになるように受動態を使って書き換えよ.」
で,正答は勿論「I am bitten by the dog.」なわけだが (現在形が気持ち悪いというのは置いといて),これで私は英語が嫌いになった (今は違いますよ...).
The dog bites me. と I am bitten by the dog. は伝えている「シーン事実」が同じだけで,決して意味が同じ・書き手の意図が同じではない.
また,
- I can play tennis.
- I am able to play tennis.
こんな書き換えも出題されたが.これも決して同じ意味ではない.
英語が悪いのではなく,教える人間が悪いのである.
これはもはや行間の相違ではなく,言い手あるいは書き手の意図に違いがあるのである.
ちゃんとした英語教育では must, should, have to, ought to などの助動詞類の違いはきちんと教えているはずである.
- 私は運転ができる.
- 私は運転をすることができる.
- 私は運転が可能だ.
- 私は運転する能力がある.
- 私は運転する許可を持っている.
- 私は運転できるが免許証を持っていない.
- 私は免許証を持っているが運転できない.
どうだろう.
このように列挙対比するとニュアンスの相違がわかって頂けるだろうか.
別の例...
- 世界で最も美しい数式は ei π = − 1 である.
- 世界で最も美しい数式が ei π = − 1 である.
- ei π = − 1 は世界で最も美しい数式である.
- ei π = − 1 が世界で最も美しい数式である.
一見,同じことを言っているようであるが,文脈として考えると伝えようとしている事柄には差異がある.
“A is B” は “A equals B” と決して同じではなく,
当然,“A is B” を “B is A” と書き換えるには他の条件が必要である.
ちなみに,「は」は副助詞,「が」は主格を表す格助詞である.
もちろん,上記4例の差は,文脈における主題 (話題の中心事項) の相違にある.
行間を伝えるのではなく,文字としてきちんと正確なニュアンスを伝えることに心がけよう.
行間は禁止,でも,ニュアンスは正確に!
類義語
類義語は意味は似ていても同じ意味ではない.
正確にものごとを伝える学術論文においては,似て非なるもの,ということができよう.
文脈に応じてより適切な単語を選びたいものである.
例えば...まず学術用語ではないが分かりやすい例から...
- この航空機は羽田空港から関西空港に向かいます.
- この飛行機は羽田空港から関西空港に向かいます.
- この機体は羽田空港から関西空港に向かいます.
- この便は羽田空港から関西空港に向かいます.*
さて,これらの意味あるいはニュアンスの違いがわかるだろうか.
可能かどうかということでは実はどれも可能なんだろうが,さらに文脈としてどれが相応しいかというと別問題である.
次に示す例で考えてみよう.
- この航空機は積乱雲の上を通過します.
- この飛行機は積乱雲の上を通過します.*
- この機体は積乱雲の上を通過します.
- この便は積乱雲の上を通過します.
- この航空機にはロールスロイスのジェットエンジンが装備されています.
- この飛行機にはロールスロイスのジェットエンジンが装備されています.
- この機体にはロールスロイスのジェットエンジンが装備されています.*
- この便にはロールスロイスのジェットエンジンが装備されています.
- ほら,あそこに航空機が飛んでいるよ.
- ほら,あそこに飛行機が飛んでいるよ.*
- ほら,あそこに機体が飛んでいるよ.
- ほら,あそこに便が飛んでいるよ.
- ヘリコプターは航空機の一種である.*
- ヘリコプターは飛行機の一種である.
- ヘリコプターは機体の一種である.
- ヘリコプターは便の一種である.
- この航空機の機長は Tom Smith です.
- この飛行機の機長は Tom Smith です.
- この機体の機長は Tom Smith です.
- この便の機長は Tom Smith です.*
航空機≠飛行機≠機体≠便,であることが読み取れますか?
また,どれが相応しいかわかりますか?
ちなみに英語でも,airplane, aircraft, ship, flight などと使い分ける.
別の似て非なる類義語の例
(to be written soon)
価格・値段・金額・料金
著者・筆者・作者
論文・研究
定理・公理
特有・固有
和数詞
「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」という数詞は日本語古来の数詞 (和数詞,助数詞) である.
数詞としては算用数字を使用するのが望ましいが,文脈によっては和数詞を使用したいこともあろう.
しかし,「ひとつ」は「ひとつ」でひとつの単語,「1個」は「1」(いち) という数値と「個」という助数詞からなる連結語であるので,次のような記法に気をつけなくてはならない.
- ◯ ひとつ,ふたつ,みっつ
- ◯ 一つ,二つ,三つ
- × 1つ,2つ,3つ
1つ・2つ・3つは間違い
1つ,2つ,3つといとう表記は間違いである.
根拠は単純明快である.
一は「ひと」,二は「ふた」,三は「みっ」と読むことができるが,
1, 2, 3の読み方は「いち」「に」「さん」のみであって「ひと」「ふた」「みっ」とは読めない。
であるから,1つ,2つ,3つは「いちつ」「につ」「さんつ」としか読むことができないのである.
数詞の使用法
文脈として必然性・合理性がある場合をのぞき,算用数字と適切な単位を用いるべきである.
- × このエンジンには2つのシリンダーがある.
- △ このエンジンにはふたつのシリンダーがある.
- △ このエンジンには2個のシリンダーがある.
- ◯ このエンジンには2基のシリンダーがある.
- ◯ このエンジンには2気筒である.
- ◯ このエンジンには二気筒である.(2気筒/二気筒については次節参照)
一般に和数詞が許されるのは 2 までではないだろうか.
- ◯ ひとつ,◯ ふたつ,◯ みっつ
- △ みっつ,× よっつ,× いつつ,× むっつ,× ななつ,× やっつ,× ここのつ,× とお
しかしながら,学術論文で明確な合理性があるのは「ひとつ」だけであると筆者は思う.
「ひとつ」には英語でいうところの,数値 "1, one" に対する,不定冠詞 "a"(ある) あるいは "single"(単一の) に通じる意味・ニュアンスがあると思うからである.
類似したものに助数詞「たり」がある.これも同様である.
- ◯ ひとり,◯ ひとつ,× 1り,× 1つ
- ◯ ふたり,◯ ふたつ,× 2り,× 2つ
- × みたり,× みっつ,× 3り,× 3つ
「ひとり」を「一人」とも書くが,「三人」は「さんにん」と読むだろう.
- × スカラーみっつを一組として縦ベクトルとして扱う.
- △ スカラー三つを一組として縦ベクトルとして扱う.
- △ スカラー三個を一組として縦ベクトルとして扱う.
- ◯ スカラー3個を一組として縦ベクトルとして扱う.
- ◎ 3個のスカラーを一組として縦ベクトルとして扱う.
算用数字か漢数字か
例えば,「二次方程式」vs「2次方程式」である.
最近の中学校数学では「2次」と表現されているようであるが,筆者は違和感を覚える.
しかし,文脈次第というのが正解だと思う.
例えば,その論文中で単なる単語として出現するか,一般の次数の方程式群のひとつとして出現するかで変わりうる.
- ◯ x の二次関数 f(x) = ax2 + bx + c は,係数 a が正であれば下に凸である.
- × x の2次関数 f(x) = ax2 + bx + c は,係数 a が正であれば下に凸である.
- ◯ 一般に n 次方程式の解は n 個あり,例えば 3 次方程式の解は 3 個ある.
- × 一般にn 次方程式の解は n 個あり,例えば三次方程式の解は 3 個ある.
このように並べると,違和感があるのがお判りだろうか.
特に漢数字と “n” が絡んだときには論理的不整合が生じる.
- (余談だが...なぜか判るかな?)
× 関数 y = ax2 + bx + c は,係数 a が正であれば下に凸である.
閑話休題
本論と無関係なことであるが,住所表記で,「なんとか1丁目」というのが最近気になっている.
これは数値ではなく,単語・固有名詞なのだから「なんとか一丁目」とするのが正式だろう.
「行う」の乱用
論文などでも「行う」という言葉の乱用が目立つような気がする.
「行う」という動詞は,「[名詞句]を行う.」という形で使用されることが多いと思う.
その名詞句として,もともと動作の意味が有る言葉を使うとどうなるであろうか.
研究を行う. | vs. | 研究する. |
実験を行う. | vs. | 実験する. |
投票を行う. | vs. | 投票する. |
サ変動詞化の方が,シンブルで違和感が少ないと思わないだろうか?
但し,例外もある.
- 新しい計測手法に基づく実験を行う. vs. 新しい計測手法に基づき実験する.
意味を損なわない程度に,シンプルな表現を心がけよう.
「研究」「論文」の使い分け,係り結び
以下の例がどうして「×」なのか考えてみよ.
この類いの間違いは偉い先生でも非常に多い.
- × 本研究では,・・・について述べた.
- × 本研究は,・・・について述べた.
- × 本論文では,...について実験した.
- × 本論文は,...について実験した.
「本研究では」「本論文では」「本実験では」の使い分け
TPO によって使い分けよ.同じ意味ではない.
- × 本論文では,・・・の実験を行った.
- → ◯ 本研究では,・・・の実験を行った.
- → ◯ 本論文では,・・・の実験結果について考察する.
- × 本研究では,...について述べる.
- → ◯ 本論文では,・・・について述べる.
- → ◯ 本研究では,・・・について検討する.
- × 本実験では,...について検討した.
- → ◯ 本実験では,...について確認する.
- → ◯ 本実験では,...であることが検証された.
筆者と著者
筆者は,自分を指し,著者は第三者を指す(ことが多い).
自分のことをいいたければ「私は」ではなく「筆者」を使う.
ただし,論文では人格を隠蔽するために人を主格で使用しない,という流儀がけっこうあるので注意されたい.
特に査読論文では著者個人が査読者に予想されるからである.
- × 文献[3]の筆者は,・・・と記している.
→ △ 文献[3]の著者は,・・・と記している.
→ ◎ 文献[3]では,・・・と記されている.
- × 著者らは,...についてすでに報告している.
→ ◯ 筆者らは,...についてすでに報告している. (論文誌によっては禁止されている)
→ ◎ 文献[3]では,・・・と報告されている. (受身形にして人格を隠蔽)
誰がしたのか
自分の成果と他人の成果を混ぜるな.明確に区別せよ.
誤魔化したいのか,意図はなかったのか不明だが,これは非常に多い.
私が査読した場合はまずここは問題にするだろう(→特に信学論,情処論の著者各位).
先行研究では参考文献を引用するのが望ましい.
さらに,自分の先行研究であってもきちんとそれを明確にしなくてはならないし,
論文誌によっては自分による先行研究でも人格を隠蔽しなくてはならないものもある.
- × XXXの結果に基づいて,YYYを行った. (XXXはだれがしたのか不明)
- → ◯ 筆者らは先にXXX[2]を示しているが,本研究ではそれに基づいてYYYを行った.
- → ◯ OkadaによるXXX[2]に基づいて,本研究ではYYYを行った.
前? 後?
さて問題.
- 「文字列 “ABCDEFG” の “D” の前に文字 “x” を挿入する.」
とはいかなることか?
実は,この文の意味は自明ではない.
- (a) “ABCxDEFG”
- (b) “ABCDxEFG”
貴方が (a) だと言い張っても (b) だと言う人もいる.
ひとにより両方の解釈がされうるのである.
きっと (a) だと思う人は「前」というのが,「書いた時間的に早い方が前」という解釈で,
(b) だと思う人は「書いた時刻が新しい方が前」という解釈なのでは無いだろうか.
この仮説はアラビア語ネイティブの人に確認すると心理的根拠になるかもしれない.
このような場合は,
- 意図が (a) の場合:「文字列 “ABCDEFG” の “D” の左に文字 “x” を挿入する.」
- 意図が (b) の場合:「文字列 “ABCDEFG” の “D” の右に文字 “x” を挿入する.」
と書けば誤解が生じない.
ところで情報科学の分野での狭い領域の話ではあるが,ストリングマッチングで「前方一致」,また言語理論で「前方参照」という用語が使用される.
これらは情報科学の分野として定義済み用語であるので問題はない.
とにかく,勝手な自己基準ではなく普遍絶対的に一義性のある表現に心掛けよう.
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