科学技術論文の書き方 表 紙 目 次 |
論文の構成と章建て
参考文献参考文献は,貴方の研究の基礎となるものである. 全く,あるいは殆ど参考文献の無い論文をときどき見かける. これは,ひとの成果を全く/殆ど利用しないで研究をした, という意味であるが,それが現代において可能だろうか? もちろん不可能とは言わないが, もしそんなことができたらそれは世紀の大発見とでも言うべきものであろう.現実的には,他人の築いた礎の上に,貴方の研究があるはずである. ピラミッドの中で,自分の石の下にある石は総べて参考文献とするべきである. 例えば,snakes (動的輪郭法) の研究をした場合, Kass の論文は絶対に参考文献にあげなければならないし, 光線追跡法を使用したら Whitted の論文が必ず貴方の石の下にある. いくら彼等の論文を参考にしないで, 自分で snakes と等価のプログラムを作成したとしても, それが算法として等価であれば貴方の発明ではない. 例え等価でなくより優秀な算法を発明したとしても,目的が同じであれば, 比較対象として参考文献とすることは必須条件であり先人の功への当然の礼儀である. なお,参考文献にリストしたものは必ず本文で引用すること. 引用のないリストアイテムは禁止である. というよりも,関連する研究であれば,かならず参考文献としてリストして本文で引用すべきである. 参考文献の引用方法とリストの作成方法は,別章で詳しく述べる.
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